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近年増加中!別居婚のメリットやデメリット、始めるまでの流れについて

私たちが認識している結婚の常識といえば夫婦が一緒に暮らすことが当たり前でした。しかし、そのような時代は終わりつつあります。近年は入籍しても別々に暮らす夫婦や共働きなど、さまざまな理由により別居婚を選ぶ家庭が増えているといわれています。

「結婚をしたのに、なぜ別居婚を選択するのか?」

今回のコラムでは新しい結婚の形として認知され始めている「別居婚」について、メリット・デメリットをお届け。別居婚に向いている夫婦から失敗するパターンまでを詳しくご紹介します。

近年増加している別居婚とは?

まず「別居婚」という言葉について、どんなイメージをお持ちでしょうか。結婚後はひとつ屋根の下で仲良く暮らすという認識を大多数が抱いているため、別居婚は「冷めきった夫婦」「形だけの結婚」と悪い印象を持つ方が多いようです。しかし、ふたを開けてみれば「共働き夫婦で生活にすれ違いが多いため、週末だけ一緒に暮らしている」「仕事の都合や育児環境で夫と妻と子どもがバラバラで暮らしている」など別居婚にもさまざまな理由があります。

民法第752条の法律によると、夫婦は同居してお互いに協力し助け合うことと規定されており、ケンカが絶えないなどの理由でムリに別居した生活スタイルを正式な「別居婚」とは呼びません。別居婚の定義は「夫婦がお互いに同意した上で行うこと」です。一昔前の別居婚は、離婚経験がある子持ちの人が再婚するにあたり生活環境やパートナーに慣れてもらうための婚姻スタイルでしたが時代の流れとともにその理由も変化し、今日では生活リズムの違いや転勤など家族環境に影響がでてきたときに別居婚を考える夫婦が増えているようです。

結婚の新常識ともいえる新しい夫婦生活の在り方である別居婚。実際、週末だけを夫婦水入らずで楽しむ方が幸せを感じるという意見が増えていることから、結婚後の生活スタイルに影響を与えているといえるでしょう。

別居婚のメリット・デメリット

別居婚を選択した場合、さまざまなメリットが想像できますが、それと同時にデメリットを感じる部分も必然的に出てきます。ここでは客観的に見た別居婚のメリット・デメリットについてご紹介します。

別居婚のメリット

別居婚で考えられるメリットとは? 6つのポイントをまとめてみました。

1. 自由な生活が手に入る

結婚後は生活スタイルの基盤を相手に合わせるため、想像以上にストレスを感じるものです。それに対して別居婚は、結婚した後もこれまでの生活スタイルを大きく変える必要がないため、自分のペースが崩れません。起床から就寝時間まで、さらにはお風呂に入るタイミングなど全て自分都合で生活できます。

2. 新鮮な気持ちで配偶者と向き合える

たとえ別居婚を選択したとしても法律上は正式な婚姻関係にあります。とはいえ、パートナーと毎日顔を合わせるわけではないため、余計なストレスを溜め込むこともなく夫婦であっても恋人感覚でデートを楽しめる「新鮮な気持ち」を味わえます。毎日会わない絶妙な距離感だからこそ伝えたい言葉が出てくるもの。自然に会話が弾むのもメリットのひとつです。

3. 仕事や趣味に打ち込める

結婚をきっかけに仕事の内容やボリュームを調整する人は少なくありませんが、別居婚を選ぶ多くの方は、これまでと変わらず仕事や趣味に打ち込めます。仕事や飲み会で帰りが遅くなっても家族に迷惑をかけることもなし。別居して空いている時間を利用して趣味に集中できます。

4. 安定した収入面を維持

別居婚を選ぶ夫婦の多くは、働いた給料を自分で管理します。夫婦の財布を別にするからこそ稼いだお金を好きに使えるメリットが発生し、仕事も生活も自立できます。夫の収入に頼らないことで経済的な面でも心の安定が保たれます。

5. 生活にメリハリが出る

パートナーと顔を合わせる回数が少ないため夫婦喧嘩が減り、夫婦の時間を大切にしたいという気持ちが強くなる傾向があります。個人差はありますが、夫婦で暮らす生活より生活習慣にメリハリが出るケースも多く、バランスの取れた距離感が生まれます。夫婦生活にありがちな文句も最小限に抑えられるため、ムダなことでイライラせず生活態度にゆとりができます。

6. 夫婦の絆が強くなる

一緒に過ごす日数に限りがある別居婚は、時間や労力を集中的に使うため相手を真剣に考える時間が必然的に増えます。「この日に愛する妻(夫)と会える!」という特別な気持ちがキープできるからこそ、一般家庭よりも夫婦の絆が強くなりやすいのです。いつまでも変わらず「特別な存在」であるからこそ、助け合う力もまた高まりやすいといえるでしょう。

別居婚のデメリット

別居婚のメリットを紹介しましたが、デメリットはどうでしょうか。6つのポイントをチェックしてみましょう。

1. 寂しくても会えない

個人差はありますが別居婚の場合、夫婦で決めた日以外は基本的に会わないものです。そのため、寂しいと孤独を感じてもひとりぼっち。パートナーに頼らず自分でネガティブな気持ちを処理しなければなりません。会えないことで寂しさが募る人、気持ちが冷めてしまう人の別居婚はデメリットになる可能性があります。

2. 浮気のリスクがある

順調に別居婚をしていると思っていても、どのような生活を相手が送っているのかリアルな部分はお互い知りません。本気で隠そうと思えば隠せる状況ですので、こっそり浮気をされるリスクはあります。過去事例では、周囲からの噂話でパートナーが浮気している事実を知り、離婚問題に発展したケースも少なくありません。

3. 生活費が2倍に膨らむ

夫婦の財布を一元管理している家庭に比べ、個人で財布を管理している別居婚は自由に使えるお金が増える一方で、貯金率は低い傾向にあります。家賃や光熱費・食費など生活費も2倍になるため、必然的に出費が増えてしまいます。

4. 子どもが寂しい思いをしやすい

子どもがいる場合、夫婦の都合だけで別居婚を選択すると子どもが寂しい思いをします。家庭の状況により別居婚が子どものためになるケースもありますので一概にいえませんが、子どもが寂しくならないよう慎重に考える必要があります。

5. 新婚生活という実感が湧きにくい

ご飯からお風呂の準備、ゴミ捨てや掃除など夫婦で向き合うことが増えるため、以前より距離が縮まるのが一般的な結婚生活。婚姻届を出しても大きな変化がない別居婚は新婚生活とはほど遠い独身に近い日常を過ごすことになります。苗字が変わるため、病院や銀行で新しい名前を呼ばれた瞬間、「そういえば結婚していた」と他人事のように思うパターンも。

6. タイミングが悪い別居婚は周囲の目が気になりがち

別居婚を実行する夫婦には何かしらの理由や背景があります。大きく分けて「婚姻届を出してすぐ別居婚を選択する夫婦」と「夫婦で暮らしていたけど別居婚を選択する夫婦」の2パターンがあるとされていますが、後者の場合は要注意。これまで一緒に暮らしていた夫婦が別居婚をするとなれば「不仲説」など予期せぬ噂が出てくるケースも考えられます。世の中には夫婦仲に問題がなくとも別居婚を選ぶケースは多々ありますが、日本での別居婚スタイルが浸透していないことを覚えておきましょう。

別居婚でうまくいく夫婦と失敗する夫婦の特徴

新しい結婚の在り方として注目されている別居婚について、興味を持たれている方も多いことでしょう。ですが、必ずしも別居婚がうまくいくとは限らないし、残念ながら離婚してしまう夫婦もいます。どのような夫婦が別居婚に向いているか、詳しい特徴について5つご紹介します。

1. 夫婦で子どもの未来まで話し合える夫婦

思いつきや一時の感情で別居婚を決めてしまう夫婦は、後悔する可能性が高い傾向にあります。ただでさえ一般的な生活スタイルと異なるのが別居婚ですので、子どもの将来や自分たちの老後について家族としての未来まで話し合いができる夫婦が向いているといえます。

極端な話、定年後を考えて資金を貯めていたと思っていたのに、パートナーの貯蓄金額はほぼゼロ。ひとりという状況に甘えて散財した生活を送っていたという事例もあります。別居婚はコミュニケーションを取る時間が少ないため、限られた時間の中で子どもや自分たちの将来が考えられない夫婦の別居婚は失敗する可能性があります。

2. お互いに信頼し合える夫婦

別居婚をする上で最も大切だとされるのが「信頼」。毎日の生活が見えない分、どれだけ相手を信用できるかが大きなポイントとなります。とくに問題視される浮気や不倫関係は、一緒に暮らす夫婦であっても離婚直前まで状況が悪化する場合があります。別居婚で相手を疑い出したらキリがなくなりますので、心から信頼ができる相手であることを自分の中で再確認してください。また、浮気や不倫に限らず金銭管理から体調管理まで気がかりなことは尽きません。別居婚で幸せになる予定がストレスだらけになるようであれば、別居婚は避けた方が無難です。

3. 仕事の時間や趣味がまったく違う夫婦

「夫は夜勤で妻は日勤」「夫はインドア派で妻はアウトドア派」このように生活スタイルから趣味、価値観まで全く違う夫婦も珍しくありません。結婚後、どうしてもすれ違いの生活が自分にとってストレスだと感じるなら、週末だけなど限定した別居婚が向いています。不思議なもので、お互いの仕事や趣味に対して文句がなくとも、夫婦になれば余計な口出しをしてしまうもの。不満の積み重ねが大ケンカの原因に繋がりますので、ひとりに心地よさを感じる夫婦は、別居婚を経験してみるのも一興かもしれません。

4. 別居婚を期間限定で考える夫婦

別居婚をいつまで行うのか、最初から期間を決めてお互いの時間を大切にした方が合理的です。例えば、「夫が転勤する間だけ別居婚をする」「子どもありの再婚で、子どもが新しい相手に慣れるまでの別居婚」というように、最初から期間をフィックスしてしまうのです。別居婚の条件について細かなところまで夫婦で話し合い、納得できる夫婦であれば別居婚に向いているといえるでしょう。

5. お互いの家族に理解されている夫婦

別居婚は夫婦だけの話ではありません。お互いの両親や子どもたちの理解も必要になることを頭に入れておきましょう。ひと昔前の考えを持つ両親なら、なおさら別居婚を理解するまでに時間を要します。とりわけ遠距離恋愛の末に結婚を決めた夫婦が別居婚をするなら、決め事は大切です。病気になったら?両親の老後は?考えられる問題はできるだけ家族と共有し伝えましょう。お互いの家族から反対される場合は、別居婚そのものを見直したほうが良いかもしれません。

別居婚を始めるまでの流れ

別居婚を実際にスタートすると決めたら、どこから手をつければいいのか?婚姻届の書き方や住民票など具体的流れを詳しく解説していきます。

別居婚をする時の婚姻届の書き方

婚姻届けに記載する住所は、夫婦別々で問題ありません。また、世帯主の名前は住民票に記載されているものを記入してください。

  • 一人暮らしなら自分の名前
  • 実家暮らしなら両親や祖父母の名前

世帯主の名前は夫婦それぞれ違ってもOK。ただし本籍地は別居でも夫婦で同じ場所を書く必要があります。同居を始めた日の記入内容は、通常であれば「結婚式の日」「同居をした日」になりますが、別居婚はどちらにも当てはまらないため空欄で提出します。

別居婚の住民票

すべての項目を記入した婚姻届を提出すると、新しい戸籍謄本や住民票が作成されます。同居しなくても苗字が変わりますので運転免許証や銀行の通帳など変更手続きが必要なものは通常の結婚と同様に進めましょう。名義変更がメインとなりますが、住所が変わるなら住所変更も忘れないように。

別居婚における社会保険や国民健康保険

結婚後は夫(妻)が加入している社会保険に入ることができます。ただし加入には一定の条件を満たさなくてはなりません。

  • 妻(夫)が無職
  • 被扶養者の年収が130万円未満
  • 被保険者から仕送り額が少ない

また国民健康保険に加入にあたり、住所が別々であれば保険料は各住所で発生します。本来なら世帯主がまとめて払うのですが、婚姻届の世帯主欄に夫婦で異なる名前を記載すると各自で保険料を収めなくてはなりません。

別居婚の出産・子どもの手続き

別居婚を続けても出産や子育ては可能です。赤ちゃんが生まれると母子手帳や予防接種の発行などさまざまな手続きを行います。夫婦の住所が別なら、お知らせなど郵送物が届いたときにチェックができる住所がおすすめです。

別居婚は夫婦のコミュニケーション力が大切

別居婚は時間やお金が自由に使えるメリットを持つ反面、寂しさや浮気のリスクなどデメリットも当然ながら存在します。どのような困難に直面しても、信頼のあるコミュニケーションがあれば必ず良い方向に流れるはず。幸せな未来を見つめた上で別居婚の在り方を考えてみてくださいね。