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アクティビティすぎる絶景スポットが盛りだくさん!スリル満点な「秩父札所巡り」へ

こんにちは! ジブリマニアのライターMAKIJIです。東京からもアクセスしやすい日帰り旅にオススメの秩父には、いくつかの絶景スポットがあり、オリエンテーリーングのように楽しめる「秩父札所巡り」というものがあります。「秩父札所巡り」は、ジブリアニメ『もののけ姫』に描かれた、シシガミの森を容易に想像させてくれる光景が広がりとっても神秘的! 断崖絶壁や一枚岩の絶景を前にすると、大地のエネルギーと青々とした緑からたっぷりパワーをもらえるはず。今回は、気軽に楽しめる秩父札所34カ所の中から、1日で巡ることができる神秘的な絶景スポット3カ所を厳選して紹介いたします。

そもそも「秩父札所巡り」とは?

▲秩父のシンボル「武甲山」

札所巡りと言えば、四国八十八ヶ所のお遍路が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか? 「札所」とは、お遍路で巡るお寺のことを指します。その昔、参拝する際に、巡礼者がお寺に「お札」を打ちつけたことが由来です。

秩父札所巡りは、武甲山の麓に広がる埼玉県秩父市を中心に、江戸時代の巡礼道が残る札所34カ所の観音霊場を巡ります。秩父札所巡り34ヶ所、西国札所巡り33ヶ所、坂東札所巡り33カ所と合わせて、「日本百観音」と呼ばれています。

▲秩父札所広域マップ

百観音巡礼では、西国が約1,000km、坂東は約1,300kmもの長距離の巡礼となり、手軽に巡礼というわけにはいきません。秩父札所巡りは全部で約100kmの距離しかないので、ほかの札所巡りに比べれば、手軽に行えるビギナー向けの札所巡りと言えます。

▲札所1番と札所13番にある巡礼用品

秩父札所巡りでは「札所1番・四萬部寺(しまぶじ)」「札所13番・慈眼寺(じげんじ)」「札所18番・神門寺(ごうどじ)」「札所34番・水潜寺(すいせんじ)」へ行って、専用の納経帳(御朱印帳)などを手に入れて、寺院ごとに違うご利益を授かりながら巡ってみるのがお勧め。ちなみに、秩父札所巡り専用の納経帳(御朱印帳)は1,200円から用意されていて、各寺院の御朱印は納経料300円でいただくことができますよ。秩父札所巡りの概要がわかったところで、お勧めスポット3つをご紹介していきます。

水琴窟のような滝音が響く「札所31番・観音院」

1つ目のオススメは「札所31番・観音院」。秩父最西端の山深い場所にあるため、もっとも険しい難所に建つ寺と言えるでしょう。山門に祀られる仁王像は高さ4mもあり、石造りとしては日本最大の仁王像になります。

山門を過ぎて、大きな手形のある彫刻の先には、長い石段が待ち構えています。般若心経276字と、普回向(ふえこう)20字の合計した数と同じになる296段という数字には、「厄除け階段」という意味があるようです。標高差約60mの石段は、ゆっくり歩いて10分ほどで登ることができます。

階段を登り切った場所にある梵鐘では、参拝前に鐘を突くようにしましょう。参拝後に鐘をつくことは、「出鐘」「戻り鐘」と言われていて、とても縁起が悪いとされています。

本堂の左側にはその昔、修験者が滝行をしていた滝があります。

水量が少ないものの、落差約60メートル以上の「聖浄の滝」は一見の価値があります。

滝の音は、弓型をしている岩壁に反響して甲高く、境内に響いています。聖浄の滝は清涼感あふれる心地良い癒しスポットです。

観音院には、「開運・安産・出世」など、数々のご利益あるそう。

大岩壁がくり抜かれたように建つ観音堂を見るだけでも、長い階段を登ってきた甲斐があります。

納経所の横では、「1700万年前の地層」を見ることができます。ちなみに観音堂の他にも「東奥の院ミニハイキングコース」という見どころがあります。「東奥の院」「岩廂(いわひさし)にある石仏群」などのある「東奥の院」コ-スは、気軽に景色を楽しみながら、約15分で1周できる散策路です。

「東奥の院」コ-ス沿いからは、立ち入り禁止で近づけない「鷲窟磨崖仏(しゅうくつまがいぶつ)」を望むことができます。こちらは小石や砂が「海底」に積もってできた礫質砂岩(れきしつさがん)の岩肌に作られたもの。札所のある観音山が海底だった時代があるなんて驚きですね。

こちらの札所にはアクティビティなミニハイキングコースがあり、緑のコントラストが綺麗な参道や、甲高い滝音が響く境内がリフレッシュに最適です。紅葉狩りシーズンの梵鐘周辺は、SNS映えする人気スポットの1つになります。

『もののけ姫』のシシガミの森みたいな絶景のある「札所32番・法性寺」

「札所32番・法性寺」には、まるで『もののけ姫』に描かれたシシガミの森のような絶景が広がっていることは、あまり知られていません。ジブリファンにはたまらない、「モロ・一族」の住処のような風景を堪能してみましょう。

▲山門から納経所まで

山門から納経所までの石段は、とても穏やかな佇まいです。まさか、これから向かう奥の院まで、道なき道を掻き分け、ダイナミックな絶壁があるとは予想ができません。本堂前から、参道が延びている森の先を見上げると、「奥の院・お船観音」を望むことができます。

▲観音堂

納経所から2~3分進んだ場所には、岩船山を背負い岩盤から張り出したように建てられた、舞台造りの観音堂があります。

観音堂の裏にあるボツボツと穴のあいた岩壁は、かつて秩父湾があったことを示すものです。埼玉県の山深い地域にも関わらず、海が広がっていた浸食の跡なのだそう。

観音堂の近くに、折り重なるように大きな岩があります。なんとこの大岩の洞門にある隙間が「奥の院」への入り口。こんなところが入り口なんて、童心に返って探検している気分になってきます。

足元さえ見えないほどのケモノ道を、草を掻き分けながら7~8分進みます。「龍虎岩・胎内観音」は、特に案内板も無くスルーしても良かったのですが、好奇心旺盛な筆者は、最初に現れた鎖場なので果敢にチャレンジしました。

見上げた先にある鉄杭が地球の中心を指しているはずです。登っている岸壁の斜度との違いがわからないですが、「カラダの軸が地球の中心を捉えている」ことを実感します。足を置くスペースは、つま先が乗る程度しかなく、落ちないよう岩壁にしがみついて撮影するのが大変です。

「月光坂」から風景は一変します。シシガミの森を思わせる、苔むした岩がゴロゴロ転がっているエリアは、アシタカがコダマに案内されながら進むシーンを思い出します。沢登りしているように進むと、九十九折りになった2つ目の鎖場に辿り着いて50mほど登ると、洞窟のようなものが見えてきます。

「奥の院まであと一歩」という曖昧な案内に従うと、「大日如来30m(左にジグザグ矢印)・お船観音40m(右に真っ直ぐ矢印)」の道標があります。案内に従って左に進んだ先は、峰を歩くような参道になっていて、「大日如来」が祀られている岩場があります。山の峰からは更に見上げるような山容で、マッターホルンを思わせるような岩壁がそびえていました。

「奥の院コース」を歩き始めてから40分、本日3度目になる鎖場の歩くスペースは、幅20cm前後しかありません、岩場の周りに遮るものが無く、崖上にいる恐怖心との戦いです。片手で鎖を掴みつつ、片手でカメラを構えて写真を撮っている姿を、客観的に想像するだけでも恐ろしい。洒落にもなりませんが、足を滑らして落っこちたら、たぶん死にます……。

大日如来が祀られている岩の上は、足を伸ばせる程度で1畳分ぐらいのスペースしかありません。目線を下におろすと、改めて断崖絶壁の上にいることに気づかされ、恐怖心と闘いながら鎖場を制したことを実感します。少し大げさかもしれませんが、「選ばれし者しか辿り着けない場所なんだ」と実感し、岩場から足を投げ出す大胆さがあるなんて、自分で自分を褒めてあげたいと思いました。

見晴らしの良い、大日如来が祀られている奥の院は、長さ200m、高さ80mの一枚岩。船尾(大日如来)から船首(お船観音)にかけて、船の舳先(へさき)のような形をした、巨岩になっていることから、「お船観音」の名前の由来にもなっている絶景スポットです。

何度も言いますが、巨岩の上には柵などは無く、左側は絶壁です。一瞬たりとも気が抜けない、一枚岩の上をへっぴり腰で歩いていきます。

ココまで登ってきたケモノ道や数カ所の鎖場を始めとして、沢登りのような月光坂や、大日如来とお船観音のある一枚岩などは、雨が降った後などは滑りやすく細心の注意が必要です。そのスリル感も含め、岩場などの恐怖心を乗り越えた先に広がる絶景スポットは、強く印象に残ることででしょう。安全を第一としながらも、非日常感を味わいたい人はぜひ挑戦してみてください。

インディージョーンズの気分が味わえる?断崖絶壁の「札所28番・橋立堂」

秩父市街からクルマでR140号を、三峰神社や山梨方面に約15分進んだ場所に、70mもある断崖絶壁を背負うように佇む、「札所28番・橋立堂」があります。

昔は、旅や交通、農作業の手段として馬が使われていたため、馬の観音様が祀られています。走るのが速い馬ということもあり、ご利益に即効性がある、「交通安全」のパワースポットとして知られるようになりました。

こちらは紅葉狩りの人気スポットの1つでもあり、「青もみじ狩り」ができる綺麗な境内です。

観音堂に向かって左側は、階段の始まる付近がオレンジ色の紅葉で、中段から上は黄色の紅葉。紅葉狩りが楽しみな場所です。

背後の白く光る断崖絶壁の前で、赤い観音堂がSNS映えします。

橋立堂の魅力は、断崖絶壁の景観だけではありません。橋立堂の裏手に、埼玉県内ではココにしかない鍾乳洞「橋立鍾乳洞」があるんです。(入場料一般200円)

入り口にヘルメットが用意されていますが、被っている人はほとんどいません。筆者は性格的におっちょこちょいなところがあるので、ヘルメットを被りました。

鍾乳洞の全長はおよそ130mあり、入口と出口の高低差はなんと約33m。100段ほどの階段になっている、全国でも数少ない縦穴の鍾乳洞です。残念ながら洞内は撮影禁止ですが、玄関のドアぐらいのスペースから奥を覗いた感じでは、どこから入れば良いのかわからないぐらい狭く感じました。

洞窟の中をハシゴや階段を使って縦横無尽に動き、まるでインディージョーンズのように、探検気分で進みます。場所によっては横歩きになり、腰を曲げながら進むので、頭や背中をぶつけてしまうことも多く、ヘルメットの有り難さを実感しました。

橋立堂の境内には、癒し派のためのカフェテラス1軒と食事処2軒もあり、他の札所には無いような人の賑わいがあります。

橋立堂は、断崖絶壁の景観を味わうだけではなく、アクティブな鍾乳洞の探検もできるスポット。夏は瑞々しい青モミジが境内を彩り、秋はパッチワーク柄のように「赤・オレンジ・黄色」の紅葉が鮮やかになり見応えがあります。

秩父札所巡りの絶景スポットには、ジブリアニメ『もののけ姫』に描かれていたシシガミの森やモロ・一族の住処のような、光景が広がっていました。Googleのストリートビューでも見ることができない、臨場感のある絶景スポットを訪ねながら、秩父札所巡りでご利益を授かってみてはいかがでしょうか。

札所31番・観音院

住所:埼玉県秩父郡小鹿野町飯田観音2211
秩父札所三十四ヶ所観音霊場 サイト
http://www.chichibufudasho.com/kannon/31
秩父札所巡り観音霊場のコースガイド サイト
http://www.geocities.jp/fudasyo34_jp/temple-31.htm
最寄駅:
【G2】 西武鉄道「西武秩父駅」から西武観光バス「栗尾・坂本ゆき」バス52分「栗尾」で下車。さらに徒歩1時間(栗尾から山門まで45分、山門から本堂まで296段の石段を15分登る)
【G13】別路線の小鹿野町役場から西武観光バス「坂本行き」バス9分「栗尾」で下車。
※1時間に1本程度の路線バスのうえ、バス停よりかなり長い距離を徒歩で移動しなくてはなりません。時間に余裕を持った予定で訪れてください。可能であれば、自家用車もしくはレンタカーで訪れることをお勧めします。
秩父地域路線案内 サイト(路線バス)
http://www.seibukankoubus.co.jp/chichibu_annai/
マップ
https://goo.gl/maps/tx5bfD7MjzJ2

32番 法性寺

住所:埼玉県秩父郡小鹿野町般若2661
秩父札所三十四ヶ所観音霊場 サイト
http://www.chichibufudasho.com/kannon/32
秩父札所巡り観音霊場のコースガイド サイト
http://www.geocities.jp/fudasyo34_jp/temple-32.htm
秩父地域路線案内 サイト(路線バス)
http://www.seibukankoubus.co.jp/chichibu_annai/
小鹿野町営バス時刻表
http://www.town.ogano.lg.jp/cms/wp-content/uploads/2018/06/20171101seibutitibu.pdf
最寄駅:【G1】西武鉄道「西武秩父駅」から西武観光バス「小鹿野車庫・栗尾ゆき」松井田で下車、徒歩約4km。または、小鹿野町営バス「西武秩父駅線」長若中学校前下車、徒歩約2km。
マップ
https://goo.gl/maps/P69DQFyEbPt

28番 橋立堂

住所:埼玉県秩父市上影森675
最寄駅:
(電車)秩父鉄道「浦山口駅」から徒歩15分
(バス)西武鉄道「西武秩父駅」から西武観光バス「浦山常盤橋ゆき」の「浦山口」下車徒歩15分
秩父札所三十四ヶ所観音霊場 サイト
http://www.chichibufudasho.com/kannon/28
秩父札所巡り観音霊場のコースガイド サイト
http://www.geocities.jp/fudasyo34_jp/temple-28.htm
秩父鉄道時刻表
http://www.chichibu-railway.co.jp/station/
西武鉄道西武秩父駅時刻表
https://www.seiburailway.jp/railway/ekimap/seibu-chichibu/
秩父地域路線案内 サイト(路線バス)
http://www.seibukankoubus.co.jp/chichibu_annai/
マップ
https://goo.gl/maps/xm4moM8F4NG2

 

MAKIJI(石塚貞幸):プロフィール

マニアックな旅行ライター。ジブリアニメが好きすぎて、トトロの森のある街で「観光コンシェルジュ」として活動中。見逃しがちでマニアックなスポットや、都市伝説のある場所を彷徨い、妄想しながら「ひとりっぷ」している。特技……、見知らぬ土地でも知らない人から気軽に声をかけられることかな。