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エンターテインメント性溢れるパワースポット!「子ノ権現天龍寺」とは?

古来より足腰守護の神仏として広く信仰を集める「子ノ権現天龍寺(ねのごんげんてんりゅうじ)」は、埼玉県飯能市にあるパワースポット。ここは、足腰の調子が良くない人をはじめとして、丈夫な足腰が必要な人力車を引く人、荷物を配達する人、農林漁業に従事する人、スポーツ競技者が訪れている寺院です。

特に、ヒルクライムを好むサイクリストや、ハイキングビギナーを始めとしてトレイルランニング・ハイキング愛好者に親しまれています。

個人的には寒暖差で体調を崩しやすい季節(春)にこそ訪れてほしい、パワースポットでもあります。

子ノ権現天龍寺の三内図

「子ノ権現天龍寺」は、一般的に「子ノ権現(ねのごんげん)」の名で親しまれており、天龍寺を創建した「子ノ聖(ねのひじり)」の名前に由来します。「子ノ聖」は、832年(天長9)子の年・子の月・子の日・子の刻に生まれるという、ミラクルなタイミングで誕生をしたので、「子ノ聖」と呼ばれたそうです。

※権現とは日本の神の称号です。

最寄り駅からの最短ルートとして、西武鉄道秩父線の吾野駅から浅見茶屋を経由する登山道があります(徒歩約1時間30分~2時間)。現在では、林道の開発が行われ、急坂を経てR299沿いにある西武鉄道秩父線の西吾野駅方面と、飯能市街地方面へと2つの道路が整備され、クルマによる登山が可能になりました。

山門前には、南北に並んで立つ樹齢800年以上とも言われる二本杉があり、子ノ権現が開山の際に食事で使った杉の箸を地面に差したところ、根付いたのちに大樹になったと伝えられています。

しかし1974年(昭和49)8月の落雷した後の発火により、幹は空洞になってしまいました。形こそ残ってはいるものの、黒く焼け焦げて、痛々しい姿です。

子ノ権現天龍寺は名前からわかるように寺なのですが、参道の売店の先に赤い鳥居があります。

鮮やかな色の鳥居から一変して、シックな色の黒門(黒い山門)を通り抜けて進みます。耳にしたことがあるかもしれませんが、鳥居と山門が同じ敷地にあるのは、「神社などの神道」と「寺院などの仏教」が融合して、1つの信仰体系にした「神仏習合」の名残なんだそう。

SNS映えするカラフルな仁王像

黒い山門を抜けると、神社仏閣ではあまり見たことが無い綺麗なオレンジ色で、愛嬌がある立派な仁王像が出迎えてくれます。

色づかいがなんだかアニメチック。屋根のない露座の仁王像は珍しいのではないでしょうか? 振り返ってみると、後ろ姿もキュートですよね。

 

参道を進んだ先にあるのは、江戸時代末期の建物で立派な茅葺屋根の本坊です。寺社仏閣にいながら、どこか懐かしい雰囲気の世界観が、ジブリマニアの心をくすぐってきます。

2019年の干支にちなんだ隠れハートを探してみよう!

子ノ権現天龍寺の起源は、911年に草ぶきの家をこの地に建てて、十一面観音を祀ったことに始まります。のちに、弟子が子ノ聖を祀ったのが天龍寺です。

子ノ権現天龍寺には、ハート型の紋様「猪目」がいたるところに見受けられます。イノシシは「火伏せの神さまの御使い」とされ、古来より「猪の目」は火事を護る魔除けの役割があり、イノシシは福を呼ぶという言い伝えが。2019年の干支がイノシシであることにもちなんで、境内にある「隠れハート」「可愛いハート」探しをしてみてはいかがでしょうか?

個性的な寺院づくりを目指す! 住職が仕掛けた巨大で赤いハイヒール

さて、本堂の中を覗いてみましょう。

なぜか、本堂の中に巨大で赤いハイヒールが鎮座しています!

非現実的な大きさから、「和田アキ子のハイヒールではないか?」とウワサされています。さすがに「長さ1.8mほどの赤いハイヒールなんて、いくら何でも大きすぎるでしょう」と、ボケとツッコミの1人漫才をしてしまいました。

本堂の中にある巨大で赤いハイヒールにとどまらず、SNS映えするカラフルな仁王像も、住職が目指す「個性的な寺院造り」から生まれた仕掛けの1つ。「なぜ本堂の中にあるのか?不思議に思うと同時にビックリしてもらい、単純に喜んでもらうだけで良い」という考えがあるようです。

アニメ『ヤマノススメ』の聖地巡礼

埼玉県の天覧山(標高197 m)から、子ノ権現(標高640 m)を通り、伊豆ヶ岳(標高850.9 m)へと続く山々の稜線は、「飯能アルプス」と呼ばれています。

子ノ権現天龍寺は、女子中高校生による登山をテーマとした、アニメ『ヤマノススメ』でも描かれた聖地。こちらの足腰守護の象徴である鉄ワラジは重さ約2トンあり、日本一の大きさとして有名で、大きな夫婦下駄と並んでSNS映えする人気スポットになっています。

本堂の横にある願掛けワラジには、あまり知られていない願掛け方法があります。二足のうち一足に願い事を記入して境内に掛け、残る一足は自宅に祀ると願いが叶うのだとか。

閻魔堂横の階段を進むと、鐘楼堂があります。鐘は誰でも鳴らすことができますが、「短い間隔で連打する」と麓の人が火事だと勘違いしてしまうので、30秒間隔をあけて鳴らしましょう。

標高640mにある、子ノ権現奥の院(釈迦堂)から少し低い場所には、東京スカイツリー(R)と同じ高さにある見晴台が設けられています。こちらからも絶景を楽しんでみてください。

ハンドパワーのパワースポット! 険しい山々に潜んでいる「謎の白い手」

子ノ権現天龍寺のある険しい山々の中には「謎の白い手」というものが潜んでいます。探している時は、なかなか見つからないことから、この名がついたそう。

天龍寺の周辺を散策してみると、ミッキーマウスのような大きな白い手が突然現れました!

なんだかキュートで可愛いらしい印象もありますが、なぜココに「謎の白い手」があるのか不思議です。

ちなみに、白い手を見つけることができれば、女性としての願いが1つ叶うとか叶わないとか。今も昔も女性は、みずみずしい、透明感がある色の白いキレイな肌に憧れているからかもしれませんね。

大自然の厳しさを感じさせる! 知る人ぞ知る日本屈指のゲキ坂とは?

次の目的地の「竹寺」に向かっている途中で、車で通り過ぎるだけではわからない、サイクリストやハイカーだけが体験する、日本屈指のゲキ坂があります。

日本一の急勾配な道は、大阪府と奈良県の県境にあるR308「暗峠(くらやみとうげ)」ですが、東京都と埼玉県にまたがる狭山丘陵にも同じ「最大勾配37%」の坂が存在します。

ちなみにケータイのアプリで、坂の下部・中間・上部で勾配を測定してみると、なんと「最大勾配44%」もありました。林道ということもあり、非公式ですがビックリする数値です。

坂道の途中で立ち止まって自撮りしてみると、まっすぐに立っていない……!後方の垂直に伸びる樹木と比べてみれば一目瞭然ですね。平衡感覚を狂わせる場所なのかもしれません。

「最大勾配44%」のゲキ坂は、子ノ権現天龍寺にあったエンターテインメント性のある造形物とはまた違ったスリリングさがあります。

ちなみに目指していた「竹寺」ですが、取材時の1月は寒さで路面が荒れて滑りやすくなっており、残念ながらアクセスすることができませんでした。春には路面凍結もなくなっていると思いますので、子ノ権現天龍寺と合わせて訪れてみてください!

■子ノ権現天龍寺(正式名称:大鱗山雲洞院天龍寺)

〒357-0214 埼玉県飯能市大字南461
TEL:042-978-0050
▶車でのアクセス
圏央道「狭山・日高インター」よりR299~県道395~案内板に沿った林道で約60分
関越道「鶴ヶ島インター」よりR299~県道395~案内板に沿った林道で約80分
▶電車&登山道(徒歩)でのアクセス
西武鉄道秩父線「吾野駅」「西吾野駅」から徒歩約90分(ハイキング道)
西武鉄道池袋線「飯能駅」または西武鉄道秩父線「東飯能駅」からタクシーで約40分
http://nenogongen.jp/index.html
※受付時間:9:00~16:00

 

MAKIJI(石塚貞幸):プロフィール

マニアックな旅行ライター。ジブリアニメが好きすぎて、トトロの森のある街で「観光コンシェルジュ」として活動中。見逃しがちでマニアックなスポットや、都市伝説のある場所を彷徨い、妄想しながら「ひとりっぷ」している。特技……、見知らぬ土地でも知らない人から気軽に声をかけられることかな。