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参道は海へとつづく。和布刈神社(めかりじんじゃ)と、関門エリアの隠れハート探し

関門海峡にて

関門海峡をはさむふたつの港町、山口県の下関と福岡県の門司。古来歴史が大きく動くとき、その起点となり舞台となってきました。

そんなドラマティックな薫り漂う地に鎮座するのが、和布刈神社。新たな歴史のはじまりの年、令和元年だからこそ訪れていただきたいパワースポットです!

関門海峡を徒歩で突破する

和布刈神社は、関門海峡をまたぐ関門橋の真下(門司側沿岸部)に鎮座しています。下関側から見ると、このあたり……。

下関沿岸から見た対岸の門司エリア

約6000年前、本州と九州が分断され海峡が形成されるまでは陸続きだったと言われているこのエリア。現在下関と門司間は、渡船や関門トンネル人道を使って気軽に巡ることができます。

今回は、下関から関門トンネル人道を使い徒歩で和布刈神社を目指し、門司から渡船で下関に戻りながら、各所のみどころをご紹介!

関門トンネル人道入り口(下関側)

関門トンネル人道

昭和初期、「海底に車と人を」という計画が始動。戦後の混乱期を経て昭和33年、関門トンネル人道は完成しました。全長3,461m、上段が車道・下段が人道という2階建て構造の海底トンネルで、 海底の県境を自分の足で踏みしめることができます。

関門トンネル人道の海底の県境

無事関門トンネル人道を渡り切り、下関・門司両方の入り口に設置されているスタンプを押し所定の場所に持ち込むと、ワクワクするメッセージが書かれた「関門TOPPA!記念証」をいただけるので、是非トライしてみてくださいね。

関門トンネル人道のスタンプラリー

時期毎に様々な記念証デザインがあり、恋愛運アップ記念証も!

空と海、関門橋を背負うような鳥居

関門トンネル人道を渡り切り地上に出ると、「和布刈神社」と書かれた鳥居がお目見え。

和布刈神社の鳥居

鳥居を右手に道路に沿って1〜2分進むと、和布刈神社の境内への入り口が見えてきます。この時点ではまだ海は見えていませんが、耳を澄ませると、かすかに波の音が聞こえました。

手水舎で身を浄め、境内を奥に奥に、海に吸い寄せられるように進みます。右手奥にある拝殿を参詣して、くるっと後ろを振り返ると……

和布刈神社の鳥居

まるで、空と海と関門橋を背負うように堂々と佇む鳥居が目に飛びこんできます。その見慣れない光景に少しドキドキしながら、鳥居のほうに一歩ずつ近付くと……

鳥居の向こうには階段があり、すぐそこは海!

和布刈神社の鳥居

階段の中腹に腰を掛けて撮影すると、まるで海から打ち上がった人のようにも見えます(笑)。

関門海峡は、潮の流れが速く流向の変化が激しい場所です。栄華を誇った平家が滅亡を迎えた壇ノ浦の戦いでは、局面での潮の変化が、源氏の反攻のきっかけとなり勝敗を分けたと言われています。

この日も実際に流向が変わる瞬間を目撃! 関門海峡の潮の流れを通して、この地が見守ってきた数々の時代の分岐点に想いを馳せました。

和布刈神社はパワフルに生きる現代女性の味方……?!

和布刈神社にある大きな磐座

和布刈神社は、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の妃である神功皇后(じんぐうこうごう)が三韓征伐での勝利を神様に感謝し、西暦200年(弥生時代)に創建されたといわれています。

神功皇后とは日本書紀や古事記に出てくる伝説の皇后で、パワフルな武勇伝を多く残している方です。一説ではなんと、夫である仲哀天皇が戦いに破れたあと、仲哀天皇との子をお腹に宿したまま朝鮮半島に出征し、戦わずして新羅・百済・高句麗を降伏させたとか……! その後無事に出産し、政治も行いつつ立派な天皇を育てたという伝説もあるそうです。

和布刈神社は、関門海峡の海運の守護神社としても有名で、船乗りたちが深い信仰を寄せてきた神社です。しかしこの伝説を知ると、恋も仕事も全力投球する現代女性の強い味方となってくれそうだと思えてなりません。

ちなみに和布刈神社には、全国的にも珍しい女性の神職がおられます。神職が御朱印を書く時の凛とした姿と神功皇后の伝説を重ね、筆者もパワフルに生きる女性の一人として、特別なインスピレーションをいただいたように感じました。

御朱印を書く神職

和布刈神社の御朱印

和布刈神社の「飾っておきたいおみくじ」

和布刈神社には、個性的でユニークなおみくじがたくさんありました。

なかでも目を引いたのは、下関の名物である「ふく」(地元ではふぐを「ふく」と呼び、縁起のいいものとされています)と、この地で滅亡した平家の亡霊が化したといわれる「平家蟹」のおみくじ。

和布刈神社のおみくじ、ふくと平家蟹

同行していた家族とそれぞれ購入。おみくじはおみくじ結び所に結び、ふくと蟹は持ち帰り、大切に自宅の玄関に飾っています。

ひとつひとつ微妙に柄や表情が違うので、ピンときた1つを選ぶ過程も楽しいですね。

和布刈神社の珍しい神事とは

和布刈神社には、一風変わった神事があります。旧暦の正月の午前2時半ごろ、神職たちが海に入りワカメを刈るという神事です。古来よりワカメは、勢いよく繁茂する縁起のいいものとされてきました。神功皇后が戦いの際持っていた潮の満ち引きを司る2つの珠をワカメに見立てる意味もあり、この神事が1,800年に渡りつづいています。

また筆者が調べたところ、万葉集にはワカメなど海藻類を自らの恋心になぞらえ詠まれた和歌が100首近く残っており、かつてワカメは恋心の象徴だったそうです。特に男性が女性に向けて詠む歌に使われることが多かったとのこと。生い茂るワカメを恋心に重ねるなんて、万葉の時代の男性は、とても情熱的だったのかもしれませんね。

和布刈神社のわかめ

和布刈神社のペアの隠れハート

もう1つ、和布刈神社を訪れたら忘れずチェックしていただきたいポイントがあります。

場所は、拝殿です。

和布刈神社の拝殿

拝殿の鈴に、小さな隠れハートが2つ。「まるでにっこり笑ったえくぼのような、ペアの隠れハートだな」と感じました。

和布刈神社の隠れハート

お詣りのとき、笑顔でちょっと見上げてみると、幸せな気持ちになれそうですね。

関門エリアには隠れハートがたくさん! まずは門司エリアの4つの隠れハートをご紹介

和布刈神社以外にも、関門エリアには隠れハートがたくさんあります。まず、門司エリアの隠れハートは、門司港駅周辺。

和布刈神社から門司港駅までは徒歩30分ほどで移動できますが、今回は、北九州銀行レトロライン「潮風号」で向かいます!

レトロライン「潮風号」にて

きらめく海面を眺めながら、しばしの列車の旅。非日常を感じられる、少し贅沢な時間です。

門司港駅周辺の沿岸部は、日本が近代国家建設へ向け躍動した時代の建造物群がノスタルジックな街並みを彩っており「門司港レトロ」と呼ばれています。まるで映画のシーンに飛び込んだような、ロマンチックなエリアです。

それでは、門司エリアの隠れハートを一挙ご紹介!

最初にご紹介する隠れハートは、北九州市大連友好記念館の花壇にあります。

北九州市大連友好記念館

北九州市大連友好記念館に向かって左側の花壇。とても大きなハートなので、少し注意して見るとすぐに見つけることができます。

門司エリアの隠れハート①

次の隠れハートは、先ほどのスポットのすぐ近く、門司港レトロ展望室の裏にある、赤煉瓦の壁。

門司港レトロ展望室の裏の赤煉瓦の壁

このなかの1つに、隠れハートがあります。真ん中より左側の、身長167㎝の私の目の高さくらいにあったので、比較的見つけやすいのではないかと思います。

門司エリアの隠れハート②

次の隠れハートがあるのは、沿岸部に移動した、はね橋(ブルーウィングもじ)付近。

はね橋(ブルーウィングもじ)

はね橋の門司港駅側に、複数のベンチが並んでいます。そのなかの1つに、隠れハートがありますよ。

門司エリアの隠れハート③

こちらは関門エリアの隠れハートのなかで、一番難易度が高いかもしれません。海を眺めてお散歩をしながら、ゆっくりと探してみてくださいね。

門司エリア最後の隠れハートは、鎮西橋公園にある「mojico」モニュメントの近く。

鎮西橋公園の「mojico」のモニュメント

「m」と「o」の間くらいの地面に、隠れハートが!

門司エリアの隠れハート④

門司エリアには隠れハートだけでなく、雰囲気が良くお話が弾みそうなカフェや、大切な人と感動を共有できるような夜景スポットがたくさんあるので、デートにもオススメです。

門司港レトロの人気カフェ「Fruit factory Mooon de Retro」

門司港レトロ展望室から

門司港レトロ展望室から

門司港レトロ展望室から

下関エリアの3つの隠れハートをご紹介

次に、3つの隠れハートを探すため、関門海峡を渡って下関エリアに戻ります。

門司エリアから下関エリアへは渡船で約5分。海上からは、関門橋や街の一味違う表情を見られるので是非撮影していただきたいですが、船は結構揺れるので、カメラやスマートフォンを落とさぬよう気をつけましょう!

門司エリアはノスタルジックでしっとりとした街ですが、下関エリアは唐戸市場や下関市立しものせき水族館など、子どもから大人までワイワイ楽しめるスポットが満載です!

唐戸市場

唐戸市場のふくのモニュメント

それでは、下関エリアの隠れハートを一挙ご紹介します!

まずは、唐戸市場のお隣、カモンワーフというショッピングモール。カモンワーフの沿岸部には、大中小3体のふくのモニュメントがあります。その中で一番小さなふくに注目すると……

カモンワーフのふくのモニュメント

下関エリアの隠れハート①

なんと鱗の1つが、隠れハートになっています。愛らしい表情をしているので、一緒に写真を撮ると、ご利益がありそうですね。

次は、下関市立しものせき水族館です。水族館の出口付近に、少し盛り上がった丘のようなスポットがあります。

下関市立しものせき水族館

この丘をよーく見ると……

下関の隠れハート②

茶色いタイルのような部分が1つ、ハート型に!

少し分かりづらかったので、見つけたときの喜びもひとしおでした。

次の隠れハートは、すぐ近く。水族館の隠れハートから目線を上に移すと、灯台が見えます。

下関の恋人灯台

灯台の周りをぐるりと一周してみてください。

下関の隠れハート③

タイルの1つに、ハートを見つけることができました。こちらも目線の高さにほど近い場所だったので、きっとすぐに見つかると思います!

関門エリアの隠れハートは、楽しみながら探し歩くことで、両エリアの魅力を余すことなく堪能できる道標となっているように感じました。カップルで巡れば、7カ所全てを制覇する頃には想い出がたっぷりできて、2人の距離もグッと縮まっていそうですね!

最後に、隠れハート番外編をお届けします。下関のショッピングモール、カモンワーフの2階に、大きなハートとふくを一枚の写真に納められるスポットを見つけました。

カモンワーフ2階

こちらは隠れハートとは言えないと思いますが、縁起の良いふくと大きなハートの組み合わせは、とてもハッピーな予感がしませんか?

皆さまも、ドラマ溢れる関門エリアで自分だけのハッピーやドラマを見つけてくださいね。

■ 和布刈神社

〒801-0855 福岡県北九州市門司区大字門司3492番地
TEL(093)321-0749
https://www.mekarijinja.com/
<最寄り駅>
西鉄バス和布刈神社前すぐ
<マップ>
https://goo.gl/maps/eBmNZDmqpeyu8XS68

 

裕賀(ゆか):プロフィール

リモートで複数企業に参画するフリーディレクター・画家。いつか、旅先での記憶や感情を綴じた絵を描きため個展をしたい。

https://www.instagram.com/yukajpn